【体験談】生活保護 高齢者|持ち家があっても受給できたケースとは?
監修者:安木麻貴(社会福祉士)
生活保護や子育て支援制度に関する相談支援の知見をもとに、本記事の内容を確認しています。
この体験談の要約
・持ち家=生活保護不可と思い込んでいたが、条件次第で受給できた実例
・年金だけでは生活できず、貯金も底をついた高齢者の現実
・相談することで「売却しなくてもよい」と判断され、生活が安定したケース
体験者プロフィール
・年齢:70代前半
・性別:男性
・世帯構成:一人暮らし
・地域:大阪府内の住宅地
・収入:国民年金 月約5万5,000円
・受給額:生活保護 約7万~8万円(年金差額支給)
・状況:妻に先立たれ、持ち家で独居。持病あり・貯金減少
受給前の状況を教えてください
「家があるから、生活保護は無理やろう」
ずっとそう思っていました。
30年前に建てた小さな持ち家で、妻と二人で暮らしていた頃は、決して裕福ではないけど穏やかな毎日でした。
ですが、妻が亡くなってから生活は一変。
頼りの年金は月5万円台。固定資産税や光熱費を払えば、手元に残るお金はわずかでした。
最初は貯金を切り崩してなんとかやっていました。けれど、通院が増え、薬代もかさみ、気づけば通帳の残高はどんどん減っていきました。
食事は一日二回。冬場でも暖房をつけず、毛布にくるまる日もありました。
「このままやと、ほんまにあかんかもしれん…」
でも、持ち家がある以上、自分は対象外だと決めつけていたんです。
申請のきっかけは何ですか?
転機になったのは、近所の民生委員さんの話でした。
「家があっても、すぐに売らなあかんとは限りませんよ」
正直、最初は信じられませんでした。
家がある=資産がある=生活保護は受けられない、そう思い込んでいたからです。
それでも、背に腹は代えられない状況でした。通帳の残高は数万円。次の固定資産税も払えない。
「相談だけでも行ってみようか…」
不安を抱えながら、役所に足を運びました。
▶ 窓口で困らないために。生活保護の仕組みと申請の流れを完全解説
実際の申請の流れを教えてください
窓口では、思っていたよりも丁寧に話を聞いてもらえました。
・現在の収入(年金)
・預貯金の残高
・持ち家の状況(築年数・資産価値)
・健康状態
一つひとつ確認されていきました。
担当者から言われたのは、「この家はすぐに売却する必要はない可能性が高いです」という言葉でした。
築30年以上で資産価値が低く、売却しても生活再建が難しいケースでは、そのまま住み続けながら生活保護を受けられる場合があるとのこと。
その後、必要書類を揃え、数週間後に受給が決定。年金との差額が支給される形になりました。
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受給後はどう変わりましたか?
一番変わったのは「安心感」でした。
これまでは、毎日お金のことばかり考えていました。電気をつけるのもためらい、食べる量も減らす生活。
今は、最低限の生活が保障されているという安心があります。
病院にも我慢せず通えるようになり、体調も少しずつ安定してきました。なにより、「これで生きていける」と思えたことが大きかったです。
贅沢はできません。でも、人として普通に暮らせる。それだけで十分でした。
「持ち家があっても、すぐ諦めなくていい」
自分は「家があるから無理」と思い込んで、ギリギリまで耐えてしまいました。
でも、実際は違いました。条件によっては、そのまま住みながら生活保護を受けられることもあります。
あの時、相談に行っていなければ、正直今ごろどうなっていたか分かりません。
「無理やろう」と決めつける前に、一度聞いてみる。それだけで、道が開けることもあるんやと実感しました。
編集部コメント(社会福祉士より)
持ち家がある場合でも、必ずしも生活保護が受けられないわけではありません。
特に高齢者の場合、以下のようなケースでは居住継続が認められることがあります。
・築年数が古く資産価値が低い
・売却しても生活再建が困難
・地域的に買い手がつきにくい
生活保護は「最後のセーフティネット」であり、個々の状況に応じて柔軟に判断されます。
「持ち家だから無理」と自己判断せず、まずは相談することが重要です。
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