【体験談】生活保護 断られた|なぜ受給できなかったのか…申請時の落とし穴
監修者:安木麻貴(社会福祉士)
生活保護や子育て支援制度に関する相談支援の知見をもとに、本記事の内容を確認しています。
この体験談の要約
・生活保護を申請したが「条件を満たしていない」と言われ断られた実例
・断られた理由は“収入”ではなく“預貯金と説明不足”だった
・正しい理解と準備で、後に再申請へつながった体験談
体験者プロフィール
・年齢:44歳
・性別:男性
・世帯構成:一人暮らし
・地域:大阪府内
・収入:月約8万円(アルバイト)
・受給額:初回は不支給(後に再相談)
・状況:失業後アルバイトで生活、貯金あり
受給前の状況を教えてください
正直に言うと、「もう限界や」と思っていました。
正社員の仕事を辞めてから、アルバイトで生活をつないでいましたが、収入は月に8万円程度。
家賃と生活費でほとんど消えていき、余裕なんてまったくありませんでした。
それでも、なんとかやってこれたのは、少しだけ残っていた貯金のおかげです。ただ、その貯金も減り続けていました。
「このままやと、時間の問題やな」
そう思い、生活保護の相談に行くことを決めました。自分なりには、「もう十分苦しい状態や」と感じていました。
申請のきっかけは何ですか?
きっかけは、家賃の支払いが厳しくなってきたことです。アルバイトの収入だけでは足りず、毎月少しずつ貯金を切り崩していました。
「このままやと、いずれ詰んでまう」
そう思って、初めて生活保護を現実的な選択肢として考えました。
ネットで調べると、「収入が少なければ受けられる」と書いてある。
「自分も対象やろう」と思って、それほど準備もせずに役所へ向かいました。
実際の申請の流れを教えてください
窓口では、思っていたよりも細かく状況を聞かれました。
・現在の収入
・家賃や生活費
・預貯金の金額
・働ける状況かどうか
こんな感じだったと思います。その中で、預金額を伝えたときに、空気が変わりました。
当時、手元には約40万円ほどの貯金がありました。すると担当の方から、こう言われました。
「現時点では、すぐに生活ができなくなる状況ではありませんね」
正直、頭が真っ白になりました。
「え、これでもダメなんですか?」
そう聞くと、
「まずはその貯金で生活を維持していただく必要があります」と説明されました。さらに、アルバイトで一定の収入があること、就労が可能と判断されたこともあり、この時点では申請には至りませんでした。
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受給後はどう変わりましたか?
結果的に、この時は生活保護を受けることはできませんでした。ただ、この経験が大きな転機になりました。
それまでの自分は、「収入が少ない=受けられる」と単純に考えていました。
でも実際は、
・預貯金
・就労の可否
・生活状況全体
これらを総合的に見て判断される制度だと知りました。
その後、状況はさらに厳しくなり、貯金も減り、アルバイトも続けられなくなりました。そのタイミングで、改めて相談に行き、最終的には受給につながりました。
最初に断られたことはショックでしたが、「制度を正しく理解するきっかけ」になったと思っています。
「断られたのは、自分が対象外だっただけ」
最初に断られたときは、正直かなり腹が立ちました。「自分は助けてもらえないんや」と思ったからです。
でも、今なら分かります。あの時は、まだ条件に当てはまっていなかっただけでした。
生活保護は、「今の状況」で判断される制度です。だから、断られた=ダメというわけではない。
状況が変われば、結果も変わる。そう考えるようになってから、気持ちが楽になりました。
編集部コメント(社会福祉士より)
生活保護が「断られた」と感じるケースの多くは、実際には「現時点では条件を満たしていない」という判断です。
主な判断要素としては、
・預貯金の有無
・収入の状況
・就労可能性
などが挙げられます。
今回のように、一定の貯金がある場合や、働くことが可能と判断される場合は、まずは自助努力が求められることがあります。
ただし、生活状況は変化します。
そのため、一度対象外とされた場合でも、状況が変われば再度相談・申請することが重要です。
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