高校生の声を生かす!子どもの貧困対策に新しい試み

2016/04/12

子どもの貧困対策に高校生らの声を生かす取り組みを、神奈川県が今年度から始めるようです。高校生や大学生が加わる「かながわ子どもの貧困対策会議(仮称)」を立ち上げ、知事への提言づくりを進めます。子どもが関わることを県に提案したのも高校生で、全国的にも非常にまれなケースです。
対策会議はこれまでのNPO関係者、有識者、社会福祉協議会、行政に加え、高校生・大学生で構成する「子ども部会」のメンバーが参加します。

子どもの貧困対策の場に、周囲に当事者がいる世代を入れるのは効率的で、生の声を対策の場に取り入れることができます。県子ども家庭課の小島厚課長は「高校生が自分たちの問題として取り組む姿勢を示してくれて、知事も職員も動かされた」と話します。提言に具体策として盛り込まれた高校生向けの講習会や、子ども同士の交流・相談会も計画していくそうです。

昨年から急速に問題視され始めた「子どもの貧困」ですが、全国平均で16.3%およそ6人に1人が貧困という状況です。沖縄県では3人に1人ともいわれています。なぜここまで深刻化しないと動かないのか?各地域ごとに対策が急がれます。実際に子どもの意見を生かす取り組みが増えることで、子どもの側に立った時に何が見えてくるか、大人が子どもたちから学ぶ場も必要ではないでしょうか。


[筆者]
育児助成金白書
育児制度アドバイザー
高橋智也