控除(こうじょ)

年金(公的年金)

控除とは、「ある金額から一定の金額を差し引く」ということです。稼いだお金から、いくら分か控除されることによって、払う税金が少なくなります。つまり税金の話においては、「控除=税金のかからないお金」と言い換えていいでしょう。考え方としては、「稼いだ金額のうちのこの分は生活に必要な経費としてみなしてください。だからそこに税金をかけないでください。」という感じです。

控除の種類

控除と一口に言っても、いろんな種類の控除があります。所得税を計算するときに使う「所得控除」に使われる控除を以下にまとめました。年末調整でこれらの控除を申告することで、所得にかかる税金を安くすることができます。
※所得税を払いすぎていたら返してもらえる、ということです。
※以下は所得税の見解から見た条件ですので、住民税で考えるときは控除額が変わります。

給与所得控除

サラリーマンやアルバイトのように「給与」で収入を得る場合、額に応じて一定金額が控除されます。

基礎控除

すべての納税者が無条件で38万円が控除されます。

社会保険料控除

「雇用保険料」「厚生年金保険料」「健康保険料」「年金加算掛金」として支払っているものは「社会保険料」として、その全額が控除されます。

扶養控除

「扶養家族」にあたる者の人数、主に16歳以上の子どもの人数に応じて控除されます。要するに、親族を養う場合に控除されるものです。通常は一人扶養するごとに収入から38万円控除されますが、19歳から22歳の親族に関しては1人あたり63万円控除されます。70歳以上の扶養親族は、同居の場合1人当たり58万円、別居の場合は1人当たり48万円控除されます。
※児童手当ができたので、16歳未満の子どもは扶養控除から外れました。
※扶養される側の所得制限があります(年間38万円以下)。

配偶者特別控除

配偶者がいるとき、配偶者の所得が38万円以下の場合、最高38万円(配偶者の所得に応じて)まで控除されます。
※70歳以上の配偶者は48万円まで控除されます。

配偶者控除

配偶者が特定の条件を満たしているとき、上記の「配偶者特別控除」とは別に一定額が控除されます。特定の条件とは、配偶者の合計所得が38万円から76万円で、かつ申告者の所得が1000万円を超えない場合です。

生命保険料控除

生命保険に加入しているとき、加入額に応じて最高5万円控除されます。(さらに個人年金保険でも最高5万円控除されます。)

地震保険料控除

地震保険に加入しているとき、加入額に応じて最高5万円控除されます。

医療費控除

健康保険が適用される医療行為の自己負担額が年間10万円を超えた金額だけが控除されます。

寄付金控除

国が定める「特定寄附金」にあたる支出をした際に、一定の金額が控除されます。

税額控除

これまで見てきた、所得控除を差し引いて、所得税を算出したあと、さらに「税額控除」という金額を差し引いた金額が、最終的に払わなければいけない所得税になります。所得控除以外にももっと差し引いてもらえるものがあるなんて嬉しいですね。そして知っていないと余分に所得税を払うことになり損してしまうかもしれません。税額控除もよく知ってうまく活用しましょう。また、税額控除には一定の書類の提出が必要となるものが多いので、添付書類の準備を忘れないようにしてください。
詳しくはそれぞれの控除についての国税庁のHPなどを確認し、事前に準備をしておきましょう。

マイホーム購入・改築に関する税額控除

銀行などの金融機関から住宅ローンを組むなど、住宅借入金などを使って住宅の購入や増改築をして、購入した年のうちにその住宅を住居として利用した場合に控除されるものです。 それ以外にも、 段差をなくすためや省エネの為の増改築改修工事で控除される場合や、建築後未入居未使用の低炭素建築物を購入したときなどに控除される場合もあります。リフォームしたりマイホームを購入した場合はひとまず、これに当てはまるかどうか確認してみましょう。

外国税額控除

外国で生じた所得のうち、日本の所得税と似ている性質のものがその外国で課税されている場合に、二重課税にならないようにする控除です。

配当所得があるとき(配当控除)

剰余金の配当などがある場合、その所得の10%または5%を直接引くことができます。

政党等寄附金特別控除制度

個人が政党または政治資金団体に、政治活動のための一定の寄付金を寄付した場合に受けられる控除です。

認定NPO法人に寄付をしたとき

認定されているNPO法人等のNPO活動の為に、一定の寄付金を支払った場合に受けられます。

公益社団法人等に寄附をしたとき

学校法人や公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人や更生保護法人という公益法人等に、一定の条件をクリアして寄付金を支払った場合に受けられます。

試験研究費

必要経費に認められる試験研究費を所得税額から控除します。

新しく機械等を購入した時

青色申告者である中小企業者が、新品の特定機械装置などを購入し、事業に利用した場合や新品の特定生産性向上設備などを取得し事業に利用した場合に受けられるものです。

雇用者の数が増加した場合

青色申告者で、申告する年とその前年に離職者が出ていない状況であり、雇用者の人数が5人以上(中小企業者の場合2人以上)でそのうえ雇用者増加の割合が10%以上であるなどの一定の条件を満たした場合に、40万円に雇用者数を乗じて算出した金額を控除するものです。

エネルギー環境負荷低減推進設備などを購入した場合

青色申告者で、新品のエネルギー環境負荷低減推進設備などを取得し、事業に利用した場合に控除にできます。

雇用者給与等支給額が増加した場合

青色申告者で国内の雇用者への給与支給額が規定の額以上増えた場合に金額を控除できるものです。

関連語句