扶養控除

扶養控除

扶養控除とは、税金を支払う際に家族や扶養している人の数に応じて減税される制度のことです。
具体的には、給与所得者である場合の税金を計算する際に、扶養している家族の人数や配偶者の収入などを考慮して減税する制度のことを言います。
たとえば、配偶者と子ども1人を扶養している場合、その人数に応じて一定の額が差し引かれ、その分だけ税金が軽減されることになります。
これにより、家族の人数や状況に応じて、税金の負担を軽減する効果があります。

扶養とは

扶養とは、主に家族の間で使われることが多く、経済的な支援や面倒を見ることを意味する言葉です。
親や祖父母が子供や孫を経済的に支え、育てることを指すことが多いです。
例えば、親が子供を養う場合、その子供は親の「扶養」になります。
これは、食事や衣服、教育などの必要な支援を親が提供することを指します。
また、社会保障制度などでは、収入や家族の状況に応じて、扶養家族の数によって給付金や税金が変わる場合もあります。
つまり、「扶養」とは、経済的な面や日常生活の面で、他の人を支えることや面倒を見ることを指す言葉です。

扶養家族とは

経済的な負担や面倒を見る責任を持つ家族のことを指して、税金や社会保障などの制度で用いられる言葉です。
たとえば、ある人が収入を得ている場合、その人が自分自身だけでなく、他の家族のメンバー(配偶者や子供など)の生活費や支援を提供する場合、それらの家族を「扶養家族」と呼びます。
これは、収入を得る人が家族を経済的に支えている状況を指します。
社会保障制度においては、扶養家族の数や状況によって給付金や税金などが計算されることがあります。
例えば、一人暮らしの人と、配偶者や子供がいる人では、収入に対する給付額が異なることがあります。
つまり、「扶養家族」とは、ある人が経済的に責任を持って支援し、面倒を見る家族のことを指す言葉です。

扶養家族数とは

経済的に養っている家族の人数を指します。
例えば、給与計算の場面で、自分自身以外に配偶者や子供などの家族を養っている場合、その家族の人数が「扶養家族数」となります。

扶養親族とは

これは、収入が一定の範囲内に収まることを条件に、家庭内で生計を共にしている家族や親戚を指します。以下に詳しく解説します。
1.扶養親族として認められるためには、主たる収入者(通常は家計を支える世帯主)の年収が一定の範囲内に収まる必要があります。
2.扶養親族になることができるのは、通常は配偶者や子供、両親などの家族関係にある人々です。
3.扶養親族として認められるためには、同じ世帯で生活を共にしていることが重要です。
4.扶養親族の存在は、所得税や社会保障制度に影響を与えることがあります。
例えば、家族や親戚を扶養親族として申告することで、税金の控除を受けたり、社会保障給付を受ける資格を得たりすることができます。

理解しにくい「扶養控除」をわかりやすい動画にしましたのでご覧になってください。

扶養に入る条件とは

1.扶養に入る条件を満たすためには、家族関係にあることが必要です。
これには、配偶者、子供、両親、兄弟姉妹、祖父母、孫などが含まれます。
2.扶養に入るためには、扶養される人が経済的に依存していることが求められます。
つまり、収入が不足しており、他の家族または親戚から経済的な支援を受けている状況です。

扶養控除範囲内でのパート年収

ここでは、配偶者のパート年収に伴う配偶者控除について説明します。
配偶者控除は最大38万円ですが、この配偶者控除を受けることで、夫の所得税が減って結果的に夫の手取り金額が増えるということになります。
少し理解が難しいかもしれませんが、要は妻の収入に応じて夫が払う税金の額が変わってくるということです。
もちろん配偶者控除額が多い方が夫が払う税金も少なくて済むということになります。
ですから妻の年収が増えるにつれて配偶者控除の金額が減ってくるという仕組みになっています。
この配偶者控除の金額がどれくらい夫の手取りに影響するかを例を交えてお伝えします。
例えば配偶者控除が最大の38万円あった場合で、夫の所得税率が23%だとすると、所得税の減税額は38万円×23%=87,400円となり、この金額分が安くなる税金金額だと理解してください。
合わせて税金が発生する年収なども交えて下記の表をご覧ください。

扶養控除範囲内でのパート年収の壁

この表の通り、妻の収入が150万円までは最大の配偶者控除として38万円の恩恵を受けられます。
そして妻の年収が増えるに従って配偶者控除の金額が減ってきて、妻の年収が201万6千円を超えると配偶者控除は0になるという仕組みです。
つまり150万円の壁は配偶者控除最高額の38万円をもらえる年収の壁です。
そして201万円の壁は配偶者控除がもらえなくなる年収の壁と理解してください。

扶養控除申告書

扶養控除申告書は、所得税を申告する際に使用される文書であり、特定の家族や親戚を自身の経済的に扶養していることを証明し、それに基づいて所得税の控除を受けるために提出する書類です。
以下に詳しく解説します。
1.扶養控除は、自身の収入に家族や親戚を扶養している場合に、その家族や親戚の扶養を理由に自身の所得税が軽減されるという仕組みです。
つまり、ある人が収入を得ている場合でも、家族や親戚を養っている負担を軽減するための税金の優遇措置です。
2.扶養控除申告書は、自身の家族や親戚を扶養家族として認定するための文書です。
この申告書を提出することで、所得税の計算において、家族や親戚の存在に基づいて控除が適用され、税金が減額されることがあります。
3.扶養控除申告書には、申告者(通常は世帯主)の基本情報や収入、そして扶養している家族や親戚の詳細情報が記入されます。
これには氏名、生年月日、続柄(家族か親戚か)、年収、結婚の有無などが含まれます。
4.扶養控除申告書は、通常、年末調整や確定申告の際に提出されます。
年末調整は勤務先に提出され、確定申告は個人で行われます。
提出期限は年度ごとに異なりますが、一般的には年度末や年度初めに提出されます。
5.扶養控除申告書を提出することで、家族や親戚を扶養している場合に、所得税が軽減されます。
具体的な軽減額や条件は所得や家族構成によって異なります。
この申告書を提出することで、税金の負担を軽くすることができます。
申告書の様式については、国税庁の扶養控除等申告書のページをご覧ください。 国税庁 各種申告書・記載例(扶養控除等申告書など)

家族手当とは

家族を持つ従業員に対し、雇用主が支給する手当のことです。
多くの家族手当が、扶養家族に限定しています。
そのため「家族手当」ではなく、「扶養手当」という名称を採用している企業もあります。
家族手当は、福利厚生のひとつで、各企業のルールに従い支給され、対象範囲や支給額は、企業により定めが異なります。

扶養控除のよくある質問

扶養者とはどういう人ですか?

通常、経済的に支えられている人のことを指します。 具体的には、他の人(通常は家族や親戚)から経済的な支援を受けており、自身の収入が生計を維持するのに不足している人を指します。

        

扶養親族とはどこまで?

配偶者(妻・夫)・子供(未成年の子供)は、一般的に扶養親族に含まれ、高齢または経済的に困難な状況にある親も扶養親族に含まれることがあります。 また、未成年の兄弟姉妹が扶養親族に含まれることがあり、祖父母や孫も同様に含まれることがあります。

扶養から外れる場合、まずやることはありますか?

扶養から外れる際には、先ず収入を自分で稼ぐ方法や生計を立てるための自立計画を立てることが始まりです。 収入や住居、社会保険、税金などの各種手続きを確実に行う必要があります。

        

扶養内勤務とは?

通常、フルタイムの労働時間を持たず、限られた労働時間で働く勤務内容ことです。 これは、家庭の生活や子育て、介護などの責任を果たすために時間を割く必要があるための勤務体制です。 また、 扶養内勤務者の収入は、一定の所得制限内に収めることが求められることがあります。 この制限は、扶養する家族や親戚の人数に応じて異なることがあり、所得が制限を超える場合、扶養家族のための経済的な支援を受けられないことがあります。

扶養を1ヶ月だけオーバーした場合は?

ひと月だけ上限を超過したからと言って、すぐに社会保険の扶養を外れるということはありません。 1ヶ月のみオーバーなら扶養は基本外れません。 ただし、2ヶ月連続して超過した場合は企業によっては扶養を外れることがありますので、速やかに上司に相談し、翌月のシフトなどを調整してもらうといいでしょう。

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育児制度アドバイザー安木 麻貴

Written by 安木 麻貴

(一社)日本子育て制度機構 / 育児制度アドバイザー
誰も教えてくれない子育て支援制度を分かりやすく子育て世帯に伝えています。高校・大学での講話やyoutubeでも。