次世代のための
サステナブルな暮らしやまちづくりに貢献する
”外装材 兼 日よけ”
TVや新聞などで「ヒートアイランド現象」という言葉を聞いたことはありませんか?
「ヒートアイランド現象」とは、都市部の気温がその周辺の郊外部に比べて高温を示す現象です。
「ヒートアイランド現象」が進むと、住民の健康や生活、自然環境への影響、夏場では熱中症の増加や不快さを感じるようになります。
都市部はなぜ暑い!?
夏場に都市部が暑くなるのは、アスファルトやコンクリート壁の面が広いために熱をため込んでしまい、そこから出される輻射熱(照り返し)が要因となっています。
一方、郊外の山間部の表面温度が低いのは、
・木の葉の面が小さいため、太陽からの熱をため込む前に放熱してしまう
・木の葉の間隔が適度にあいてるため、風が通り、熱を逃がす
などと言われています。
京都大学は、ヒートアイランド現象の研究成果をもとに、有効な対策は気温を下げることではなく、表面温度を下げることが重要であると考え、フラクタル構造をもとに日よけを具現化しました。
フラクタルとは?
フラクタルとは自然界が長い年月をかけてつくりだした構造で、葉脈の模様、樹木の枝分かれ等、図形の部分と全体が自己相似になっている幾何学の概念です。(図1)
(図1 自然界におけるフラクタル構造)
フラクタル構造を使った日よけには3つの効果があります。
1.葉っぱと同じく熱を受ける面積が小さく、熱がため込まれる前に放熱するため、表面温度が上がらない
2.明るさを確保しつつ、暑さを感じる赤外線の放射量を低下させる
3.フラクタル日よけ下の地表面温度は常に日陰ではないのにも関わらず、年間を通して気温に近い温度
暑さを和らぎ、強風をそよ風程度にする 外装材 兼 日よけ
株式会社オズ・ワークさんが開発した『金属製フラクタル』は、「遮熱性」のほか、「防火性」、「耐久性」も合わせ持っています。(図2)
さらに、フラクタル構造により樹木と同じ性質を持っていて、防風林としての性能を発揮するので、強風をそよ風程度に和らげる「減風効果」も備えています。
(図2 金属製フラクタル)
表面温度差 比較検証 【壁面】
サーモグラフィーを用いて金属製フラクタルフェンスと金属サイディングの表面温度を比較したところ、金属製フラクタルは「11.9℃」低い結果となりました。(図3)
(図3 金属製フラクタルフェンスと金属サイディング表面温度比較検証)
地表面温度の比較 および 熱中症対策としての指数 WBGT(暑さ指数)の測定
金属製フラクタルの日よけを設置したパーゴラで、サーモグラフィーおよびWBGT測定器を用いて、フラクタル下の影および日なたの地表面温度および熱中症対策としての指数を測定しました。
暑さ指数(WBGT)とは、体と外気との熱のやりとり(熱収支)に与える影響の大きい、「気温」、「湿度」、「日射・放射」、「風」の要素をもとに算出された指標です。
地表面温度はフラクタル下と日なたで「約20℃差」、WBGTはフラクタルと日なたで、最大で4℃、平均でも2.9℃の差がありました。
<検証対象>
<地表面温度>
<風速シミュレーション検証>
風速46メートルの風を金属製フラクタルにあてたところ、風がフラクタル通過後、フラクタルから1m離れたところでは風速10m以下程度に軽減されています。(図5)
フラクタル構造によって風が上下相互に干渉し、風の運動エネルギーを失わせます。(図6)
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(図5 風速シミュレーション検証)
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(図6 扇風機を用いた減風効果検証(動画))
次世代のための暮らし・まちづくりに貢献
「ヒートアイランド現象」をはじめ、「地球温暖化」などの気候危機が急激に進んでいます。
持続可能な社会の実現に向けて2015年9月に国連サミットで定められた「SDGs(持続可能な開発目標)」では、7ゴールのうち12ゴールは環境に関する目標となっています。
地球の温暖化が進むことで気温の上昇や、大雨の頻度の増加、農作物の品質低下、動植物の分布域の変化、熱中症リスクの増加などの影響が全国各地で現れているため、早急な対応が求められています。
特に夏場に関しては、子供たちは大人よりも身長が低く地面と近いため、地面からの照り返しなどの影響を受けやすくなります。それによって体感温度が上がりやすくなり、熱中症などの健康リスクが高まります。
子供たちが安心・安全に過ごせるよう、公園や保育園・乳児園、プール、レジャー施設などでフラクタルパーゴラの設置事例が増えてきています。
また、フラクタルは日よけとしてはもちろんのこと、西日対策や目隠し目的などで住宅や施設などの「フェンス」や「ルーバー」としても設置されています。
フラクタルフェンスが設置された沖縄県の個人宅では、強烈な西日で室内は冷房でも効かないほど暑い状況に悩まされていました。
リノベーションを機にフラクタルフェンスを設置したことで、室内の暑さは和らぎ、快適に過ごせるようになったそうです。
設置後に沖縄周辺を大型台風が通過しましたが、フェンスが吹き飛ばされることなく、フェンス内に設置していた植木なども無事だったとのことです。
フラクタルは自然災害などにも強く、安心して長く使用することができます。
<沖縄県 個人宅 リノベーション事例>
テラス
ベランダ
西側外壁
ドーハ園芸国際博覧会 日本国屋外パビリオンに採用
2023年10月にカタール国・ドーハで開幕した「ドーハ園芸国際博覧会」の日本国屋外パビリオンにフラクタルが採用され、その効果に、国外からも注目を集めています。
電気や水などのエネルギーを使わずに、自然の心地よさを活かしたサステナブルな暮らし・まちづくりの準備を始めてみませんか。
※本製品は京都大学および株式会社ロスフィーの特許を実施し、株式会社オズ・ワークが商品化しました。
(参考サイト)