新生子ども夢プランを初公表!福島県の子育て支援に期待
2016/03/31
福島県は、子育て支援施策全般の基本方針ととしての「ふくしま新生子ども夢プラン」策定を公表しました。現在取り組んでいる基本方針に対し、経済的に苦しい子どもの貧困対策に加えて改定したもので、新たに子どもの居場所づくりや学習支援、養護施設出身者の進学・就職に向けた財政支援に取り組みます。
〇ふくしま新生子ども夢プランの基本方針
1.東日本大震災からの生活の回復
除染を進めることで放射線量の低減化を図るとともに、学校や保育所等における給食の、より一層の安全・安心を確保する取組を進めます。また、避難先の仮設施設等での教育・児童福祉施設の再開を支援するほか、双葉地域において先進的な学びを取り入れた中高一貫校の「ふたば未来学園」を開校します。さらに、長期にわたる県民健康調査を継続していくほか、心のケアの支援体制を整備するなど、被災した子どもや保護者に寄り添った支援を行います。
2.安心して次世代を生み育てられる環境づくり
家庭の役割や子育ての意義等について、様々な機会を捉えて啓発を行うとともに、若者の安定的な就労に向けた取組や独身男女の出会う機会の増加に向けた取組などを推進し、結婚を希望する方が結婚できるような環境づくりを進めます。また、周産期医療・小児医療体制の整備や、妊娠から出産・子育てにかけての様々な母子保健対策を推進するとともに、医療機関や学校等関係機関の連携強化を図り、切れ目ないサポート体制を推進します。
3.子育ての支援
子育て世帯の経済的負担の軽減を図るとともに、子育てや学校生活に関する様々な不安や悩みについて、気軽に相談できるような体制を整備運営します。また、「子ども・子育て支援新制度」のもと、市町村と連携し待機児童の解消を図るとともに、人材確保及び人材育成に努め質の高い幼児教育・保育サービスの提供を図り、障がいのある子ども、家庭での養育が困難な子どもなど援助を必要とする子どもや家庭への支援を含め、地域の多様なニーズに応じた子育て支援策の一層の充実を図ります。
4.子どもに優しい環境づくり
子どもたちが自らの意見を表明できるように、子どもにやさしい環境づくりに関する子どもの参画を促進するとともに、子どもの発育に必要不可欠な子どもの遊び環境や体験活動の充実を図ります。また、保護者が子育てや教育についての第一義的責任を有することを踏まえて、家庭や地域における教育を推進するとともに、東日本大震災を踏まえた道徳教育、防災教育、理数教育、自然体験教育、放射線教育などふくしまならではの教育を実施して、震災後の福島県にあって「生き抜く力」を育みます。
5.子育てを支える社会環境づくり
社会全体で子育てを支援していく環境づくりを進めるため、子育て支援を進める県民運動を推進するとともに、関係機関と連携を図りながら地域ぐるみでの子育て支援活動がさらに推進されるよう支援します。また、男女がともに子育てに関わっていく社会づくりを進めるとともに、子育てをしながら働き続けることのできる環境づくりのため、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を推進して、職場における子育て支援の促進を図ります。
全国の子どもの貧困率が16.3%(約6人に1人)となる中、親の経済状況が子どもの将来を左右する貧困の連鎖を断ち切り将来自立した生活を送れる環境づくりがもとめられます。都市部では保育所不足や子どもの防犯などの対策をもとめられ、郊外では母親の就労対策や子どもの学習支援などがもとめられるなど、都道府県ごとに子どもを取り巻く問題は異なって当然です。国の貧困対策にプラスして都道府県独自に施策が必要です。
[筆者]
育児助成金白書
育児制度アドバイザー
高橋智也