シングルマザーなどの就業支援!
2016/02/10
厚生労働省の調査によると、ひとり親世帯数は25年間で母子世帯は1.5倍、父子世帯は1.3倍と増加傾向にあります。全国の母子世帯数は120万世帯を越え、父子世帯数は20万世帯を越えます。母子世帯の就業率は80.6%で、うち正規雇用が43.0%、非正規雇用が57.0%という結果になっており、母子世帯の貧困が問題になっています。
これに対し、厚生労働省は離婚などが原因でシングルマザーになった人などが正社員といった安定した職業に就けるよう経済的な支援を拡充するようです。就職を目指し教育訓練を受けるひとり親や、ひとり親を雇う企業への資金補助を増やす施策を検討しています。
専門学校などの教育訓練の支援などには、現在施行されている助成制度「自立支援教育訓練給付金」の支給額を10万円から倍の20万円を上限とし、補助割合も受講費の2割から6割へ増額します。
企業向けの助成金も拡大します。現在施行されている助成は、ひとり親を一時的に雇う企業に1人あたり15万円の奨励金と、無期雇用する企業に1人あたり最大60万円を支給する二つがあります。2016年4月より、これらの併用を認め、一時的な有期雇用から無期雇用に切り替えた時点で申請できます。
各地域の自治体でも独自の制度が取り組まれています。
島根県浜田市では「一人親支援制度」として、市内の介護保険サービス事業所での就労研修を行う場合に様々な支援を受けることができます。
・月額15万円の研修費
・月3万円の養育費
・月2万円までの家賃補助
・研修支度金として30万円
・研修終了後に100万円
・中古自動車の無償提供
受給人数や、1年間という期間などの規定はありますが、ひとり親世帯への就業支援と経済支援、居住支援など全国でも類をみない手厚さになっています。地方ならではの施策で、育児世帯人口の減少と高齢化に対する介護職員不足を補う狙いもあるようです。全国的にひとり親世帯の困窮が問題になり、各地で様々な助成支援やサービスが取り組まれています。お住まいの市区町村窓口や子育て相談センターなどで相談してみましょう。
[筆者]
育児助成金白書事務局
育児制度アドバイザー
高橋智也