いじめ問題への対策が全国で広まっています
2016/02/10
大人から子どもまで、年々深刻化する「いじめ問題」、いじめを苦に子どもが自殺するというニュースは後をたちません。何十年も前からあった深刻な問題ではありますが、ネット社会が子どもにまで定着しつつある近年では、LINEなどのSNSを通じてのいじめが多発している。大きな原因としては、言葉の行き違いや、些細な入力間違いや勘違いなどで、小さい食い違いがエスカレートし発展してしまいます。学校のクラスや部活、仲良しグループでのグループチャット内で起こることが多く、グループを抜けたり、返信しなかった場合などでもいじめに発展するケースもあるようです。ネット内でのいじめが、実生活にまで影響を及ぼすことも多くあり、親や教師が小さな火種を見つけるのが困難になってきています。各学校では随時いじめに対するアンケートを実施していますが、無記名でのアンケートが多く加害者と被害者の特定には至ってないことが多いようです。厚生労働省の調査によると、小4~小6、中1~中3までの間に7~8割の児童が被害や加害の経験を持つとされ、被害はもちろん加害にも加わっている児童が常に存在ししていると考えていいようです。「いじめ」の発見で非常に困難な点として、どこからがいじめなのかという点です。一見仲良しな友達グループ内であの子がいじめらているって本当なのか?最近あの子たちの遊びがエスカレートしつつあるのではないか?いじめにボーダーはありません。被害者が苦痛に感じている、加害者がいじめの認識がある、それでも認めたくない子どももいる。実際に教師などの大人が気付く割合は1割程度ともいわれ、早期発見の対応が急がれます。
そんな中、各地で様々ないじめに対する対策が取り組まれています。【宮城県仙台市】では、2016年度より、市内の全中学校に、いじめ対策教諭を加配し、生徒間の小さないざこざまで目を配らせます。【岐阜県】では、県内の全ての公立小・中・高・特別支援学校にスクールカウンセラーを配置し、いじめや不登校の早期発見、早期解決に結びつけます。【大阪市天王寺区】では、本サイトのベスト育児制度賞を授賞しました、「区長直通いじめ相談ダイヤル」を実施しています。天王寺区長が365日24時間電話を受けるという独自の対策です。【岡山県倉敷市】では中学校の生徒会が主体となり、「LINEいじめダメ」といった啓発ビデオを作成し、生徒自らが行動しています。
全国的にいじめ問題の予防、解決に向け様々な取り組みがされておりますが、「いじめ」がなくなる事はないでしょう。小学生、中学生、高校生、社会人、それぞれの中に社会が存在します。社会の中で生きるには人と交わらなければいけません。その中で好き嫌い、向き不向き、合う合わない、あって当然です。筆者自身も幼少期、いじめの被害者になり、転じて加害者になることもありました。解決方法はケースバイケースのため、教師に相談するのがいいのか、親に相談するのがいいのか、地元のおっちゃんに相談するのがいいのか...いじめられている子ども、いじめている子ども双方に、逃げ道やはけ口を作ってあげることで、対応できることもあると思います。ネット社会が定着しつつある現代だからこそ、顔を向き合わせて話しかけることも大事ですね。
[筆者]
育児助成金白書事務局
育児制度アドバイザー
高橋智也