子どもの頃の睡眠がどれだけ重要か知っていますか??
2016/02/10
お子さんの睡眠時間を把握できていますか??近年、日本は不眠大国と呼ばれるほど、平均睡眠時間が短いといわれます。子どもの睡眠時間も例外ではありません。深夜のテレビ番組、親の生活リズム、子どものスマホ所持など要因は様々ですが、子どもの遅寝は健康面や学習面において様々な弊害があります。
〇遅寝による弊害
・睡眠不足による、朝食の欠食
遅寝になり、睡眠不足になると朝から機嫌が悪くなり、朝食を食べずに登校してしまいます。朝食を抜くことで、小児肥満や小児メタボの要因となります。
・睡眠不足による発達障害
人間は3歳までに自律神経の基盤が確立します。この時期にしっかりと確率されないと、汗をかきにくく体温調整ができない体になるおそれがあります。
・睡眠不足による知能の低下
子どもの頃に前頭葉の神経ネットワークがつくられるとされ、過去におこなわれた調査では、夜8時~9時に就寝する子どもの偏差値が最も高く、遅くなるにつれて低くなるという結果が出ています。また、眠気をうまく意識できずに、集中力が低下し、イライラしたり多動・衝動行為などの問題もみられます。
〇遅寝の原因
・子どものスマホ依存
防犯のために携帯やスマホを持つ子どもが増えています。ついつい寝る前にスマホを開いてしまい、「気づくともうこんな時間っ!」なんてことは大人でもありますよね。子どもも例外ではありません。「今日は早く寝たなー」と子どもが寝たのを確認しても要注意!こっそり布団の中でスマホを触っている...なんて話も耳にします。寝る前のスマホは睡眠の質にも影響があります。家庭内でしっかりルール作りをして、スマホを有効活用しましょう。
・母親の遅寝
子どもに対するさまざまな調査の中で、母親の睡眠時間が短くなると子どもの睡眠時間も短くなることが分かっています。家事など、どうしても早寝が出来ないお母さんもいらっしゃると思います。どうしても子どもがぐずつくときや、中々寝つけない時は、眠るまででいいので添い寝してあげてみてください。
〇子どもに必要な睡眠時間
・1~3歳:12~14時間
この時期の睡眠は、体内のメロトニンというホルモンによってコントロールされ、体内時計をしっかり作る大事な時期です。目から入った光によって、昼は起きる夜は眠るといった体内のルールづくりをします。昼寝をさせるときも、部屋を暗くするのは避けた方がいいといわれます。
・4~6歳:10~13時間
この時期に注意すべきポイントは「昼寝」です。力をつけ体力も増えてきている子どもに無理に昼寝をさせると、夜の寝つきが悪くなったり眠りが浅くなるなどの悪影響を持つ場合があります。この時期に生活リズムを決めるともいわれ、寝る前の着替えや歯磨きなどのルーティンをしっかり癖づけさせましょう。
・7~12歳:10~11時間
小学校の低学年の時期は体力差にも個人差があり、生活リズムを固めがちになってしまいます。個別に健康面をチェックしてあげましょう。
高学年になると、活発に遊び始め、テレビやスマホへの興味がより増加します。寝る前の1時間前から預かるなど家庭でルールづくりしましょう。
・13~18歳:8~9時間
中学生~高校生では子どもが反抗期になり、受験勉強や遊びなど個々で全く生活スタイルが変わってきますね。この年代では体力がつき、睡眠の多少のゆがみは調整できるようになっています。部活終わりなどの「夕方の睡眠」は遅寝や睡眠の質へ影響が出ますので、注意しましょう。
他にも子どもの不眠等の睡眠障害もあります。どうしても寝つけない日が続いたり、夜何度も起きてしまう場合は、お近くの小児科で相談してみましょう。
[筆者]
育児助成金白書事務局
育児制度アドバイザー
高橋智也