未受診妊婦の方への相談窓口があるのをご存じですか?
2016/02/10
経済困難や犯罪に巻き込まれるなどの望まない妊娠、予期せぬ妊娠が年々増加傾向にあります。大阪府で過去におこなった調査では年間分娩数約77,000件に対し、152件の未受診妊婦が確認され、その割合は0.2%、500人1人の方が未受診妊婦という結果になりました。そのうち33%が経済困難を理由に、21%が「妊娠していると気付かなかった」、「どうすればいいか分からなかった」などの知識不足が原因です。調査対象は13際から43歳までで、そのうち24人が未成年、全体の40%が初産、69%が未婚という結果になりました。
経済困難や妊娠・出産に対する知識不足は社会問題として深刻ですが、未受診妊婦にとって一番の問題は「母子の健康」と「生まれてくる赤ちゃんへの影響」です。未受診妊婦の分娩時に合併症を引き起こす割合が高く、出産した新生児の31.7%が新生児集中治療室を利用し、その大半が早産によるものです。そして最も深刻なのが、「周産期死亡率」すなわち死産です。19.7%という全国平均の約4~5倍の割合にのぼります。
出産費用は平均で約40万円~50万円かかるといわれます。全国の都道府県や各自治体では「入院助産制度」、「出産一時金」、「出産見舞金」などの助成制度を実施しています。お近くの窓口でぜひ相談してみてください。大阪府では「にんしんSOS」、東京都では「にんしんSOS東京」、神奈川では「妊娠SOSかながわ」、福岡では「にんしんSOS福岡」など、その他、北海道、静岡、兵庫でも妊娠に関する相談窓口を設置してます。
[筆者]
育児助成金白書事務局
育児制度アドバイザー
高橋智也