2022年度岩手県ベスト育児制度賞
受賞団体
岩手県教育委員会
受賞制度
「いわての復興教育」絵本『みんながいるから』
「いわての復興教育」とは、本県独自の教育プログラムとして、県内すべての公立学校において教育の根幹に据え、力強く生きていく子どもの育成をねらいとしています。
【コメント】
絵本『みんながいるから』は、「いわての復興教育」の理念を就学前の子どもたちに拡充するため、4~5歳児向けに制作したものです。「いわての復興教育」は、郷土を愛し、復興や発展を支える人材を育成するため、「いきる」「かかわる」「そなえる」という3つの教育的価値を育てることを目的としています。
主人公・カーチンのモデルになったのは、東日本大震災津波の発生からわずか90日後に営業を開始した「かまいしキッチンカー」です。店は津波に流されましたが、店主は「街に明かりを灯したい」という強い思いでキッチンカーを走らせました。自然災害は、いつ、どこで起きるかわかりません。しかしどんな苦しい状況でも、人は人と関わることで一歩ずつ前へ進むことができます。
はじめは消極的で自信なげだったカーチンが、仲間の「絵本カー」や「レスキューカー」たちと思いを一つにし、地域の人たちとの触れ合いや困難なことを共に乗り越える体験を通して、「自分にもできることがある!」という自己有用感や、「誰かの笑顔が自分の喜びにもなる!」といった充足感を味わいながらたくましく成長していったように、子どもたちが多くの出会いを通じ、それぞれの場所で自分らしく生きることを願っています。
【選考理由】
就学前の子どもたちを対象とした復興教育に活用する絵本の読み聞かせを通じて、誰かや何かと関わることの大切さ、地域の良さへの気づきを促し、郷土の東日本大震災からの復興や発展を支える人づくりを目指す点を評価