2020年度和歌山県ベスト育児制度賞

2020年度和歌山県ベスト育児制度賞

受賞団体

和歌山市・海南市・紀美野町・有田市・湯浅町・広川町・有田川町・公立大学法人 和歌山県立医科大学 周産期支援学講座

和歌山市・海南市・紀美野町・有田市・湯浅町・広川町・有田川町・公立大学法人 和歌山県立医科大学 周産期支援学講座

受賞制度

和歌山・有田保健医療圏における周産期医療ネットワーク事業
安心安全に出産を迎えるため、現在の医療体制を確保しつつ、将来の体制づくりに取り組んでいます。産婦人科医師の確保、周産期医療ネットワーク協議会及び和歌山周産期情報センターの運営を行っています。

わかやまお産ネットワーク 産科セミオープンシステム

【コメント】
この度は「和歌山・有田保健医療圏における周産期医療ネットワーク事業」対しまして、「ベスト育児制度賞」を賜り、誠にありがとうございます。
和歌山・有田保健医療圏においては、平成17年頃、分娩を中止する医療機関が増え、ローリスク妊婦や里帰り妊婦が総合病院に集中する一方で、ハイリスク妊婦の増加等により総合病院の産科医に過剰な負担がかかり、受入制限や妊婦搬送の辞退等、周産期医療の安全確保が危惧される状況となりました。平成19年度に県内唯一の大学病院である和歌山県立医科大学に対し、安心・安全な周産期医療体制を確保し、将来に向けての周産期医療体制を構築するため、「和歌山・有田保健医療圏における周産期医療ネットワーク事業」の運営と実施を委託しました。
それから10年以上経過し、和歌山・有田保健医療圏における安心安全な周産期医療体制が構築されていることから、一定の成果を得ていると考えています。
今後、周産期医療に関する課題等が生じてくるかもしれませんが、引き続き和歌山・有田保健医療圏等の住民に対し、安心安全な周産期医療を提供していけるよう、和歌山県立医科大学及び関係機関等と連携し、取り組みを進めていきたいと思います。
(和歌山市・海南市・紀美野町・有田市・湯浅町・広川町・有田川町)

この度は、素晴らしい賞をいただき、誠にありがとうございます。
平成17年頃、妊産婦死亡の症例が報道され、全国的にも周産期医療の危機的な状態が明るみとなりました。和歌山県でも診療所が分娩の取り扱いを中止するなど分娩施設の急激な減少があり、総合病院に分娩が集中いたしました。和歌山県立医科大学は総合周産期センターとしてハイリスクの母体や胎児の診療も併せて行う必要があり、病床の逼迫が危機的な状態でした。窮状を訴える中、当時の病院長と和歌山市保健所長を代表とする行政の方々が協議頂き、H19年11月に安心・安全な周産期医療体制の確保を目指した「和歌山医療圏における周産期医療ネットワーク協議会」の設立に至りました。和歌山県立医科大学内に開設されました周産期医療支援学講座は事務局としての機能を担っております。和歌山県下の産婦人科医師数が増えない状況があり、H26年より有田医療圏がこれに加わり現在の形となっております。一つ一つの課題に取り組んだ結果、今では当時の課題等が解消されました。
平成20年3月からは「妊婦健診は近くの診療所で、お産は総合病院で」というセミオープンシステムを開始し、当大学及び総合病院と地域の産科医療施設と共に推進しています。妊産婦の利便性を保ちながら、それぞれの医療機関のメリットを上手に活用した連携システムで安心・安全な出産を可能にしました。現在では、安心・安全な周産期医療の提供を行うことができています。
「和歌山周産期情報センター」では、和歌山・有田保健医療圏内での分娩できる医療施設を探している県内外の妊婦さんに産科医療施設の場所や予約空き状況などの情報を提供しています。コロナ禍においても、里帰り出産を希望される妊婦さん等に必要な情報を提供することができ、安心・安全な周産期医療体制に寄与していると思います。
しかし、周産期を取り巻く現状は厳しく、分娩可能な医療機関は減少傾向です。当大学を軸に病院、診療所及び助産所、その他関係機関との適切な役割分担と連携をより一層進め、安定的な周産期医療体制が構築できるよう、努力してまいります。
(公立大学法人 和歌山県立医科大学)

【選考理由】
和歌山市、海南市、紀美野町、有田市、湯浅町、広川町、有田川町が共同されて、妊婦さんの安心のために努めておられるとのこと、情報の共有など連携することでそれぞれの技能も高めあえておられると表彰させていただきました。