2015年度大阪府ベスト育児制度賞
受賞地域
大阪市天王寺区
受賞制度
いじめ相談区長直通ダイヤル
天王寺区の児童・生徒に対し、悩みやいじめに関する相談を区長自らが携帯電話で24時間受け付けるという制度です。
【コメント】
栄誉ある賞をいただいたこと、心から感謝申し上げます。
2011年に滋賀県大津市で起きた中学生いじめ自殺事件では、学校と教育委員会の隠蔽体質に多くの批判が集まりました。全国の学校や教育委員会ではいじめの相談窓口を設けていますが、もちろん限界はあるし、無意識のうちに身内に甘くなってしまい、いじめを見つけても「単なる喧嘩だろう」と決め込んでしまう時があります。私は人生をかけてこの問題解決に取り組んでいきたいと決めています。
解決策の1つとして、学校の先生やスクールカウンセラー、教育委員会以外にもいじめられている児童生徒が相談できる窓口をたくさんつくるべきだということを提唱しています。口先だけではなく自分もその1つの窓口になろうとの思いから、3年前の区長就任直後には24時間いじめ相談ダイヤルを創設し、昼夜問わず、子ども達の相談にあたってきました。1つ1つのいじめの内容は様々で、相談に応じる側としても様々な答え方があるものです。
「辛い時は逃げても良いよ」「学校に行かなくても良いよ」「打ち込めるものがあり、未来のための努力ができるなら、学校に行くことだけが全てじゃないよ」学校否定にも受け取られかねない私の答えに眉をひそめる関係者もいましたが、自分の過去を振り返りながら、「私なりの答え」を真摯に伝えました。無事本人が納得いく道を見つけられて、後に元気な様子を伝える近況報告の手紙が届いた時は本当に嬉しかったです。
学校の先生や家族には打ち明けづらい悩みがある子は世の中にたくさんいます。私がやってるいじめ相談ダイヤルだからすごいということは全然なくて、例えば喫茶店をやっている人、散髪屋さん、病院、ボクシングジム・・・。色んな人が「いじめ相談に来て良いよ」と門戸を開き、それぞれの「答え」を真摯に伝え合う街になれば、より多くの子ども達が未来に前向きになれる可能性も高まるものと確信しています。
今回の賞を励みに、これからも私にできることを精一杯頑張って参ります。
【選考理由】
天王寺区長自らが全国各地で問題になっている「いじめ」に対して、24時間向き合うという強い意志・姿勢が授賞に至った理由です。はじめ、この制度を見た時のインパクトは凄まじいものがありました。制度の実現までには多くの障害、賛否があったと思いますが、一人でも多くの子どもを救いたいという気持ちが本制度からひしひしと伝わってきます。
地域の独自性も強く、世に広く認知されるべきであると事務局内で判断しました。
受賞制度の他にも天王寺区で様々独自制度を取り組んでおられます。