傷病手当金

病気やけがで会社を休んでも被保険者であれば4日目から給与の3分の2が支給されます

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傷病手当金の説明

傷病手当金とは

傷病手当金は、会社員など、健康保険の加入者が病気やケガで会社を休み、給与の支払いを受けない場合、加入している健康保険組合などから受け取れる手当のことです。ちなみに傷病(しょうびょう)とは文字通り病気やケガのことを言います。
2022年1月1日からは、その傷病手当金の支給期間が通算化され、治療と仕事を両立しながらより柔軟に所得保障が得られるようになりました。
傷病手当金の内容が難しく感じられ、申請方法についてもうまく理解できない人は少なくありません。
ここでは、傷病手当金の支給対象者や支給条件、支給金額、さらには支給される期間や申請方法などをわかりやすく解説しています。
傷病手当金について理解を深めたい方は参考にしてください。

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育児制度アドバイザー安木 麻貴

Written by 安木 麻貴

育児制度アドバイザーとして、子育て世帯に制度をお伝えしています。Youtubeでもわかりやすく伝えるために奮闘中!

傷病手当金の支給対象者は?

健康保険(会社の健康保険組合や、協会けんぽ)の加入者が対象となります。
※国民健康保険、任意継続被保険者は支給対象ではありません。
ただし、新型コロナの陽性によって休んだ場合は国民健康保険者も対象になります。
※任意継続被保険者とは、健康保険に加入していた方が、退職した後も、引き続き最大2年間、 退職前に加入していた健康保険の被保険者になっている方のことです。
※健康保険に加入している方の扶養家族は対象になりません。
例えば、旦那さんが会社員で健康保険に加入していて、専業主婦の妻や子供が健康保険に扶養されている場合は、旦那さんが病気や怪我した場合のみ対象となります。

傷病手当金が支給される条件は?

傷病手当金は、次の1.から4.の条件をすべて満たしたときに支給されます。

1.業務外の事情による病気やケガの療養のための休業であること
 最初の条件としてあげられるのが、業務外の病気やケガで療養しているため働けないことです。新型コロナの陽性になって働けない場合などがあてはまります。
自費で診療を受けた場合でも、仕事に就くことができないことについての証明があるときは支給対象となります。
また、自宅療養の期間についても支給対象となります。
ただし、業務上・通勤災害によるもの(労災保険の給付対象)や病気と見なされないもの(美容整形など)は支給対象外です。

2.仕事に就くことができないこと
2つ目の条件は、これまで行ってきた仕事に就けないことです。
仕事に就くことができない状態かどうかの判定は、医師の意見等をもとに、被保険者の仕事の内容を考慮して保険者が判断します。

3.連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
3つ目の条件は、業務外の病気やケガで連続して3日間休んだ後、4日目以降仕事に就けなかった日があることです。
この支給前の連続した3日間を「待期期間」と呼び、傷病手当金は待期期間経過後の4日目以降の休みについて支給されます。

*傷病手当金の待期期間とは?
ここで注意したいのが待期期間3日間の考え方です。連続して3日間休む必要があるので、病気やケガで2日間休み、2日間出勤してから再び2日間休んだ場合などは、傷病手当金の支給対象になりません。

待期期間と受給開始

待期期間3日間の数え方
待機期間には土日・祝日、公休、有給休暇も含まれます。この間に給与の支払いがあったとしても、待機期間に含みます。また、体調不良で早退したときなどは、その日を初日として起算されます。

4.休業した期間について給与の支払いがないこと
4つ目の条件は、働けない期間の給与が支払われないことです。
傷病手当金は病気やケガで働けない期間の生活を支えるための制度なので、給与が支払われる場合は傷病手当金の支給対象になりません。ただし、支払われる給与より傷病手当金のほうが多い場合は、給与と傷病手当金との差額が支給されます。

傷病手当金が支給される期間は?

令和4年1月1日より、支給を開始した日から通算して1年6ヵ月に変わりました。
 ただし、支給を開始した日が令和2年7月1日以前の場合には、これまでどおり支給を開始した日から最長1年6ヵ月です。

傷病手当金支給期間①

傷病手当金の支給額は?

傷病手当金の支給額の計算方法は、受給する方の状況によって異なります。
具体的には、支給開始日以前の健康保険加入期間が12ヵ月以上ある場合と12ヵ月に満たない場合で異なります。支給開始日とは、傷病手当金が支給される最初の日です。それぞれ、どのように計算するのでしょうか。

・支給開始日以前に12ヵ月以上の標準報酬月額がある場合
傷病手当金の支給開始日以前の健康保険加入期間が継続して12ヵ月以上ある場合は、
次の計算式で支給額を求めます。

<支給開始日以前に12ヵ月以上の標準報酬月額がある場合>
支給開始前12ヵ月間の標準報酬月額が30万円だった場合、傷病手当金の1日当たりの金額は以下のようになります。
・30万円÷30日×2/3=約6,666円
支給開始前12ヵ月間の標準報酬月額が41万円だった場合、傷病手当金の1日当たりの金額は以下のようになります。
・41万円÷30日×2/3=約9,111円
支給開始前の継続した12ヵ月間の標準報酬月額の平均がベースになるため、給与(月収)が多いほど傷病手当金の支給額も多くなります。

<支給開始日以前に12ヵ月以上の標準報酬月額がある場合>

支給開始前12ヵ月間の標準報酬月額が30万円だった場合、傷病手当金の1日当たりの金額は以下のようになります。

・30万円÷30日×2/3=約6,666円

支給開始前12ヵ月間の標準報酬月額が41万円だった場合、傷病手当金の1日当たりの金額は以下のようになります。

・41万円÷30日×2/3=約9,111円

支給開始前の継続した12ヵ月間の標準報酬月額の平均がベースになるため、給与(月収)が多いほど傷病手当金の支給額も多くなります。

<支給開始日以前の期間が12ヵ月未満の場合>
支給開始日以前の健康保険加入期間が12ヵ月に満たない場合は、「支給開始日以前の継続した12ヵ月間の各月の標準報酬月額の平均」の代わりに、
以下の少ない方の金額を用いて傷病手当金の支給額を計算します。
①支給開始日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額の平均額
②30万円※
よって、支給開始日以前の期間が12ヵ月未満の方の傷病手当金の支給額を求める計算式は以下のようになります。
1日あたりの金額=①、②の低い額÷30日×2/3
たとえば、①が24万円、②が30万円の場合、①の24万円が受給額算定のベースになります。傷病手当金の1日当たりの金額は以下のようになります。
24万円÷30日×2/3=5,333円
健康保険の加入期間が12ヵ月に満たないと、給与が多くても受けられる傷病手当金は少なくなります。

傷病手当金の申請方法は?

傷病手当金の申請は、傷病手当金支給申請書に必要事項を記入し、保険者である協会けんぽまたは各組合健康保険組合へ提出することで行います。
傷病手当金支給申請書はどのように記載すればよいのでしょうか。
・傷病手当金支給申請書の記載方法
傷病手当金支給申請書は、①「申請者情報・申告内容」②「事業主の証明」③「療養担当者の意見書」で構成されます。
参考:全国健康保険協会 健康保険傷病手当金支給申請書はこちら

①申請者情報・申告内容では、被保険者が、被保険者証の記号番号、氏名、住所、振込先指定口座、仕事内容などを記入します。
②事業主の証明は事業主に記入を依頼します。
事業主の証明では働けなかった期間を含む賃金計算期間の勤務状況、給与の種類(月給・日給・時間給・歩合給など)、賃金計算の締め日と支払日などを記入します。
③療養担当者の意見書は担当医師に記入を依頼します。
療養担当者の意見書では傷病名、傷病の初診日、療養のため就労できなかったと認められる期間などの記入が必要です。

傷病手当金 申請に必要な書類は?

傷病手当金支給申請書の添付書類は、被保険者の状況などにより異なります。
状況別に必要になる書類を紹介します。

支給開始日前の12ヵ月で事業所に変更のあった方

・各事業所の名称・所在地・働いていた期間がわかる書類

障害厚生年金を受給している方

・障害厚生年金給付の年金証書などのコピー
・障害厚生年金給付の給付額または支給開始年月日を証明する書類のコピー
・障害厚生年金給付の年金額改定通知書等のコピー

老齢退職年金を受給している方(健康保険の資格喪失後に申請する場合)

・老齢退職年金給付の年金証書などのコピー
・老齢退職年金給付の給付額または支給開始年月日を証明する書類のコピー
・老齢退職年金給付の年金額改定通知書等のコピー

労災保険から休業補償を受給している方

・休業補償給付支給決定通知書のコピー

申請の理由がケガの場合

・負傷原因届

第三者による傷病(交通事故など)の場合

・第三者行為による傷病届

相続人が請求する場合

・被保険者との続柄がわかる戸籍謄本など

証明書等が外国語で記載されている場合は、翻訳文の添付が必要です
(翻訳文には、翻訳者が署名し住所および電話番号を明記)。
傷病手当金支給申請書に、上記の中から必要な書類を添えて協会けんぽなどへ申請します。協会けんぽなどに申請方法と必要書類を確認しておくと安心です。なお、協会けんぽへの申請や申請のサポートは勤務先の担当部署が行ってくれることがあります。勤務先に相談、確認しながら進めるとよいでしょう。
※相談やお問い合わせはあなたの持っている健康保険証に記載のある健康保険の窓口まで
参考:全国の健康保険協会の傷病手当金支給申請書に関する情報はこちら

傷病手当金 よくある質問

傷病手当金はだれが支払ってくれるのですか?

自分が休んでいるのに会社に給与の2/3を支払ってもらうのはなんとなく気まずいですよね。でもご心配なく。このために毎月健康保険料を払ってきたのです。支払うのは、全国健康保険協会です。会社が支払うわけではありません。

傷病手当金と出産手当金の両方が受給できる場合は、どうなりますか?

傷病手当金の額が出産手当金の額よりも多ければ、その差額を支給されます。

会社を長期間休むことになりました。どのようなサイクルで申請するのがよいですか?

傷病手当金の申請は、給与の支払い有無について事業主の証明が必要になりますので、1ヵ月単位で給与の締切日ごとに申請されることをお勧めします。

傷病手当金を受給していましたが、会社を退職することになりました。退職後の期間についても傷病手当金を申請できますか?

次の2点を満たしている場合に退職後も引き続き残りの期間について傷病手当金を受けることができます。
・被保険者の資格喪失をした日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間 (健康保険任意継続の被保険者期間を除く)があること。
・資格喪失時に傷病手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること。
(なお、退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないために資格喪失後(退職日の翌日)以降の傷病手当金はお支払いできません)

傷病手当金支給の1年6ヵ月の間に一時的に仕事復帰した場合や、再休職した場合はどうなるのでしょうか?

病気やケガで休職して傷病手当金を受給し、一時的に仕事復帰した後、再び同じ病気やケガを理由に再休職した場合は、一時的に仕事復帰した期間は1年6ヵ月に含まれません。
つまり、仕事復帰した期間があっても傷病手当金の最初の支給開始日から通算1年6ヵ月であれば傷病手当金を受け取れます。

傷病手当期間②

傷病手当金と併せて受給できるお金などはありますか?

育児休業給付金と傷病手当金は併せて受給が可能です。
育児休業給付金は、雇用保険の被保険者が1歳未満の子どもを養育するため育児休業を取得したときに受けられる給付金です。厚生労働省が傷病手当金の受給要件を満たせば併せて受給できる通達を発表しているため、双方の受給要件を満たせば併給できます。

※全国健康保険協会(協会けんぽ)を詳細はこちらで案内しています。

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