児童手当

児童手当は「申請すれば」ほぼ全ての子育て世帯が利用できる制度です。
※所得制限を超える世帯は特例給付として支給されます。

児童手当の概要

児童手当は、国の法律(児童手当法)によって「家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とする」と定められています。
簡単に説明すると、「子育て家庭の生活の安定と、子どもの健康的な成長のために支給される手当」です。

平成24年度からそれまでの「子ども手当」が廃止になり、「児童手当」が始まりました。

児童手当の支給額

支給対象年齢 支給額(月)
0歳~3歳未満 15,000円
3歳~小学校修了前 10,000円(第1子・第2子)
15,000円(第3子以降)
中学生 10,000円
所得制限世帯 5,000円

※児童手当の受給対象者の制限として、平成24年6月から所得制限が設けられています。所得制限額は地域により異なります。大阪市を例にして本記事の下部に記載しています。ご参照ください。

児童手当の支給日

児童手当は、平成28年度では2月6月10月4ヶ月分がまとめて支給されます。
自治体によって支給される振込み日は異なりますのでお住まいの市・区役所、町・村役場に確認してください。ホームページに掲載している場合もあります。
一般的に10日や15日に指定の銀行口座へ振り込まれる場合が多いようです。

児童手当の支給対象となる方

児童手当の対象となる子ども

児童手当がもらえる対象者は、日本国内に住んでいる0歳から中学校卒業まで(15歳に到達してから最初の年度末:3月31日まで)となっています。

児童手当の受給者

児童手当の受給者は上記の「児童手当の対象となる子ども」の保護者・養育者です。一般的には子どもの父母が多いですが、受給対象者は実際に子どもを養育している方になりますので、祖父母や、親類、里親、児童養護施設の施設設置者も対象となります。

児童手当の受給に当たっての所得制限例(例:大阪市)

児童手当には所得制限があります。
所得制限を超える世帯へは特例給付として、子どもの人数一人につき、5,000円が支給されます。

扶養親族等の数 年収【()内は所得】
0人 833.3万円以上(630万円)
1人 875.6万円以上(668万円)
2人 917万8000円以上(706万円)
3人 960万円以上(744万円)
4人 1002万1,000円以上(782万円)
※扶養人員4人以降、1人増すごと所得額はに38万円加算

あくまで一例ですので、自身の世帯所得など、しっかり確認しましょう。

児童手当の申請方法(例:大阪市)

児童手当は申請しないと受給できません。
申請方法や、提出書類などは各自治体によって異なりますので、しっかり確認しましょう。ここでは大阪市を例にあげて説明します。

児童手当の申請に必要なもの

1.認定請求書
2.印鑑(認印でOK)
3.請求者名義の銀行口座(銀行名、支店名、口座番号が分かるもの)
4.請求者の健康保険被保険者証
5.請求者のマイナンバー確認書類
6.請求者の本人確認書類
7.請求者本人及び配偶者の課税(所得)証明書

※その他、課税証明書や住民票の写しが必要となる場合があります。

児童手当の申請月と15日特例

児童手当は申請した月からもらえます。
...!?
申請した月ということは、月末に子どもが産まれるとすぐに申請しないとその月の分はもらえないの?という質問が多く寄せられます。
そんな方のために15日特例というものがあります。
出産日の翌日から15日間は児童手当の申請期間が猶予されます。

(例)8/31に子どもが産まれた場合
8/31の翌日なので、9/1~9/15の間に申請すると8月に申請した扱いになります。

児童手当の振込先を変更する

現在、お父さんが児童手当を受給している場合、お父さん名義の別の銀行口座へ変更することは可能ですが、お父さん以外の子どもやお母さんの口座へ変更することはできません。

変更に必要なもの(例:大阪市)

1.振込指定口座変更届
2.印鑑(認印でOK)
3.変更する銀行口座(銀行名、支店名、口座番号が分かるもの)
※その他に本人確認をするためのマイナンバーや、健康保険証などが必要になることもあります。お住まいの自治体にしっかり確認しましょう。

離婚した場合は?

離婚(協議中でも可)するなどして子どもが受給者と別居することになったら、子どもと同居する人の口座に変更することができます。
その場合は「児童手当等の受給資格に係る申立書」の提出が必要になります。
その他の必要書類は直接お住まいの自治体にご確認ください。

住所や名字が変わった場合

離婚で名字が変わった場合や、引っ越しして住所が変更になった場合は、担当の窓口に変更内容を届出する必要があります。

届出に必要なもの

1.変更届
2.印鑑(認印でOK)
※その他に本人確認をするためのマイナンバーや、健康保険証などが必要になることもあります。お住まいの自治体にしっかり確認しましょう。

子どもの人数が増えた場合

新しくお子さんが産まれたり、里親になってお子さんの人数が増えた場合など、養育する人数が増えた場合は、受給金額が変更になりますので、忘れず届出しましょう。

届出に必要なもの

1.額改定請求書
2.印鑑(認印でOK)
※その他に本人確認をするためのマイナンバーや、健康保険証などが必要になることもあります。お住まいの自治体にしっかり確認しましょう。

現況届

児童手当を継続して貰うには、年に一度必ず「現況届」を提出しなければなりません。現況届とは、児童手当を引き続き受給する要件があるかどうかを確認するためのもので、その年の6月1日の状況を書くものです。
これで前年の所得の状況と6月1日現在の児童の養育状況等を確認します。

多くの自治体では、現況届の用紙は6月上旬にご自宅に郵送されて、6月末までに提出する必要があります。

現況届の書き方

1.提出期限
現況届を提出する期限です。提出期限を過ぎた場合、手当の支給が遅れる場合がありますので注意しましょう。

2.受給者情報
受給者(今まで手当を受給していた方)の氏名、住所等を記入します。住所や連絡先が変わっている場合は、現在の状況を記入してください。
※別居、離婚などにより、受給者を変更する場合は、下記の方に方法をまとめています。

3.配偶者の情報
配偶者の有・無に〇をつけてください。
配偶者有に〇をつけた場合は配偶者の氏名、住所(受給者と別居している場合は記入。別居先が海外の場合は国名を記入)等を記入します。
また、配偶者の方の職業に〇をつけてください(パート・アルバイトは1です)。

4.児童の情報
高校生以下(※18歳の年度末を迎える前)の児童の氏名等を記入します。児童と別居している場合は、別居先住所欄に記入します。

5.監護の有無
同居・別居に関わらず、児童を養育している場合は「有」に〇をつけます。「無」に〇がついている(児童を養育していない)場合は、児童手当の受給資格に該当しないので注意してください。

6.生計関係
受給者が児童の父または母である場合は「同一」に、父母以外(おじいちゃん、おばあちゃんなど)である場合は「維持」に〇をつけてください。

7.年金の選択
受給者が加入している年金の種類を以下1~6の中から一つ選択し、〇をつけます。
1:厚生年金
2:私立学校教職員共済
3:国家公務員等共済
4:地方公務員等共済
5:国民年金
6:その他・未加入

8.健康保険証貼付欄
上記「年金の選択」で1~4の年金を選択された方は、健康保険証を確認し、以下の1~7に該当する場合は「健康保険証貼付欄」に受給者の健康保険証の表面のコピーを貼り付けます。
1:健康保険被保険者証(先頭に国民がついている場合は年金加入証明書の提出が必要)
2:船員保険被保険者証
3:私立学校教職員共済加入者証
4:全国土木建築国民健康保険組合員証(東京土木は年金加入証明書の提出が必要)
5:日本郵政共済組合員証
6:文部科学省共済組合員証(大学等支部に限る)
7:共済組合員証のうち、勤務先が(地方)独立行政法人であることが明らかなもの

〇受給者の方の健康保険証が上記1~7に該当しない場合
勤務先で「年金加入証明書」を記入してもらい、現況届に同封して提出する必要があります。
※「年金加入証明書」は各市区町村のホームページで「年金加入証明書PDFファイル」がダウンロードできるようになっています。
※「6.年金の選択」で 国民年金、その他・未記入を選択された方は、健康保険証のコピー・「年金加入証明書」の提出は必要ありません。

9.必要書類
「現況届とともにご提出いただく書類」欄の以下にチェックがある場合、現況届と併せてその書類も提出します。
・受給者の健康保険証のコピー又は年金加入証明書(年金の種類が上記1~4の場合)
・平成〇〇年度所得証明書 (受給者)
・平成〇〇年度所得証明書 (配偶者)
・監護事実の同意書または入寮の申立書
・児童の住民票(世帯全員・続柄入りのもの)
・その他

所得証明書について

勤務先から交付される源泉徴収票や区市町村税の通知書、給料証明書等では代用できませんので、市区町村で課税証明・納税証明書の交付をしてもらい提出します。所得が無かった場合は、非課税証明書の交付してもらい提出してください。

現況届を出し忘れると

現況届は大概の自治体で6月に送られてきます。それを未提出のままでいると6月分以降の手当は一旦差し止められ、10月の支給に間に合わない場合があります。提出が遅れたとしても、手当が減額されるということはありませんが、支給日は遅くなります。
ちなみに提出期限を過ぎてしまうと「児童手当差し止め通知書」が送られてきます。これは今後、児童手当が一切もらえないという訳ではありません。手続き(現況届の提出)を済ませれば、児童手当の支給は再開されます。手当が減額されるということはありませんが、支給日は遅くなります。
また、現況届が未提出の状態が約2年続くと、時効により受給資格が消滅し、児童手当をさかのぼって受給することができなくなりますので、できるだけ早く現況届の提出をするようにしましょう!

現況届が届かなかったり紛失した場合は?

児童手当の現況届は再発行することができます。届かない場合や紛失してしまった場合は、お住まいの市区町村窓口へ問い合わせて再度、現況届を郵送してもらうよう手続きをしてください。
直接窓口で受け取ることも可能です。提出期限が迫っている場合は、窓口での手続きをおすすめします。

知っ得情報♪児童手当の使い道

児童手当は一般的には生活費の足しにされる方が多いです。もちろん使い道はそれぞれで特に決まりはありませんが、イクハクからのアドバイスを一つ♪
児童手当は、
1人目と2人目のお子さんはトータルで198万円
3人目以降のお子さんはトータルで252万円
もらえます。
児童手当は中学校卒業までの受給となるので、学資保険のような使い方で高校の授業料など学費にしてみてはいかがでしょうか。
口座を一緒にするとついつい使ってしまいますので、児童手当用に別口座を作っておくのもいいかもしれませんね♪

児童手当の留意事項

児童手当をご利用するにあたり、いくつか留意点があるので、しっかり読んでおきましょう!

出生、転入される方

出生日の翌日から15日以内に申請すれば、出生日の月の翌月分から児童手当が支給されます。
転入された方は、転出された15日以内に申請すれば、転出予定日の月の翌月から児童手当が支給されます。どちらも急いで申請しないと、一か月分の児童手当が受給できなくなりますのでご注意ください。

単身赴任などで児童と別居されている方

受給者となる方が、単身赴任等により児童と別居している場合は、受給者となる方のお住まいの市区町村で申請してください。児童の住む地域ではないのでご注意ください。
また、住民票を抹消して海外へ単身赴任される方は、現受給者の受給資格が消滅されるため、新たに、国内で児童を養育される方による認定請求手続きが必要となります。

離婚協議中の場合

離婚協議中などで父又は母が児童と別居している場合、別居している父または母が児童の生計を維持している場合であっても、生計を同じくしないとして取り扱われ、児童と同居する父又は母に児童手当が支給されます。つまり、お金を渡して生計を維持していても、子供と一緒に住む保護者の方に児童手当が支給されるということです。

未成年後見人が受給する場合

両親や成人した保護者が居らず、未成年の後見人が児童手当を受け取ることも可能です。

父母指定者が受給する場合

もちろん、児童手当は受給できます。父母指定者とは日本国内に居住する児童の生計を維持している海外に居住する父母等が、日本国内で児童を養育する者を指定された方のことを言います。

海外に居住する児童は児童手当受けれるのか?

海外に居住する児童は、留学中の場合を除き、手当の対象となりません。留学とは次の要件をすべて満たすものとなります。
(1)日本国内に住所を有しなくなった前日までに日本国内に継続して3年を超えて住所を有していたこと。
(2)教育を受けることを目的として外国に居住しており、父母等と同居していないこと。
(3)日本国内に住所を有しなくなった日から3年以内のものであること。

支給対象となる児童が、児童福祉施設等に入所または里親等に委託されている場合は?

2ヶ月以内の期間を定めて施設入所または委託されている児童、施設に通っている児童を除き、施設の設置者・里親等に対して児童手当が支給されます。

児童手当と児童扶養手当の違い

似ている制度名で、よく間違われるこの2つの制度。児童手当は全ての児童に対して支給され、児童扶養手当はひとり親に対し支給されるもので、全く異なる制度です。

児童手当は届け出しないと支給されないのでご注意ください!
詳細は各市区町村の役所・役場にお問い合わせください。

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